伝統工芸士、人間国宝って、どんな人?

伝統工芸士、人間国宝を知りたい!

Takumi Japanのサイトでも、一部の作家の紹介ページに登場する言葉ですが、伝統工芸士、人間国宝とはどのような人物かご存じでしょうか?

何か特別感がある気はしますが、意外と答えられる方は少ないかもしれません。

今回は、Takumi Japan広報隊長ウエムラが、皆さんにわかりやすくご説明します。

伝統工芸士とは?

伝統工芸士は、伝統的工芸品産業振興協会が認定する国家資格。以下の条件を満たしている人が試験を受けることができます。

✅経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事している技術者

✅12年以上の実務経験年数を有して、原則産地内に居住している

試験は「知識試験」「実技試験」「面接試験」の3種あります。

「知識試験」は、 専門知識を問う筆記試験です。

「実技試験」と「面接試験」は、高い技術と専門知識を要するため、審査は各産地組合に委任されています。

年に1度、受験の機会があり、合格率は65%ほどだそうです。伝統工芸士の認定を受けているということは、この3種の試験をパスした人。

つまり、優れた技術や資質を持っていると保証された人物であるということです。

ただし、この資格がなくても、高い技術を持った素晴らしい伝統工芸作家さんはたくさんいらっしゃいます。

人間国宝とは?

人間国宝は、文化財保護法に基づいて文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者のうち、「各個認定」された人の通称。正式名称ではありません。

重要無形文化財の保持者には「各個認定」「総合認定」「保持団体認定」の3つがあります。

「各個認定」は、無形の「わざ」を高度に体得していると認められた特定の個人で、認定数の上限が116名と定められています。

116名に達すると、認定済みの方が亡くなり空きが生じた場合に、新たな認定が可能となります。

先述した伝統工芸士の認定者数に上限はなく、2023年2月25日現在で4,441名。今後も、増えて行く可能性は高いわけです。

さらに重要無形文化財には、「芸能」と「工芸技術」の分野があり、伝統工芸品などを作る「工芸技術」に属する人間国宝は、最新の認定者を調べても半数弱。

なんと狭き門!

選ばれし人物であることがうかがえますね。

伝統工芸士と人間国宝、共通点と違い

まず、異なる点から見ていきましょう。

①人間国宝には「芸能」分野も含まれる

②伝統工芸士は試験に合格して与えられる称号、人間国宝は審議・議決によって与えられる称号

③伝統工芸士の認定数の上限はない、人間国宝の認定数の上限は116名

④伝統工芸士認定の受験・登録には費用がかかる、人間国宝に認定されると助成金として200万円が交付される

一方、伝統工芸士と人間国宝の共通点は、どちらも芸術の保存や振興を目的としているということ。

高度な水準を維持・向上させながら、後世にしっかりと伝統を受け継いでいくために、大切な役割を果たしているのです。

伝統工芸士、人間国宝の作品を見てみよう!

最後に、伝統工芸士や人間国宝の称号を持つ作家の作品を、Takumi Japanのサイトから何点かご紹介します。

伝統工芸士の作品

伝統工芸士の作品
左:「11号 窯変鈴形枝垂桜急須」 常滑焼/玉光
中央:「般若心経 漢字 表文字 ブレスレット」東京銀器/ 泉健一郎
右:「ロックグラス 手磨 螺旋 アンバー」江戸切子/清水秀高 

他にも、伝統工芸士の称号を持つ作家さんがいらっしゃるので、サイトで探してみるのも楽しいですよ!

人間国宝の作品

人間国宝の工芸作品
左:「珈琲碗 薄墨 墨はじき 梅文」有田焼/十四代今右衛門
中央:「象嵌赤絵草花文壷」益子焼/島岡達三 (2007年没)
右:「鉄砂赤絵丸紋皿」益子焼/濱田庄司 (1978年没)

現在、Takumi Japanでお取扱いがあるのは、こちらの3人です。

島岡さんと濱田さんは、すでに他界されており、新しい作品が生み出されることはなく、たいへん稀少です。観賞するだけでも価値があると思いますので、ぜひサイトにいらしてみてください。

◆Takumi Japan公式サイト
https://japantakumi.com/

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